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さて、次はバルブガイドにオイルシールを装着。。。です。 |
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新品のオイルシールです。こうして並べると大きさの違いがよくわかります。多きい方がEX側、小さい方がIN側です。ごちゃごちゃに置いてあると間違う可能性がありますので、キチンと作業台の上に並べておきましょう。 |
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ガイドにオイルシールを取り付ける前に、オイルシール内部にオイルを塗っておきます。プラスドライバーの先端にオイルを含ませ、オイルシールの内部に塗り塗りします。オイルを塗り終わったら、オイルシールの外径に合うソケットと短いエクステンションを準備し、ソケットの内側にもオイルシールの時と同じように、オイルを塗ります(ソケット内にオイルシールを入れた際に落ちないようにする為です)ソケット内にオイルを塗り終わったら、ガイドの先端(オイルシールを装着する部分ですね)にもオイル差しでオイルを塗布しておきます。次に、オイルシールをソケット内に入れ、落とさないようにガイドに『そぉ〜っと』装着し、ソケットに付いているエクステンションを手の平で『グイッ!』と押し込みます。この段階で2/3くらいの深さまでガイド側にオイルシールが入るはずです。中には一発で『スススッ』っと最後まで入るものもありました^^;(個体差がありますね^^;)ま、気にせず(爆)IN側とEX側を間違えないように、24個のオイルシールをガイドに押し込んでいきます。ある程度まで押し込んだら、最後は手の平で押していたエクステンションを、プラハンで『コンコンコンッ!』と軽く叩いていきます。(叩いているうちに『奥まで入りましたよ〜』という感触がある程度ですが手に伝わってきます)調子に乗ってガンガン叩いてしまうと、オイルシールの先端にある小さいスプリングを潰しかねませんので、あくまでも軽〜く『コンコンコンッ』と叩くことが重要です。最後に、オイルシールの中央部分の穴からガイドの先端が同じ位置に見えているか(最後まできちんと入っているか)を確認し、更にオイルシールの高さがIN側、EX側で、ある程度均一になっているかを確認しました。高さを確認するにはいろんな方法があるとは思いますが、今回はパーツクリーナーに装着されている細い『ノズル』を2本使用し、1本はヘッドにガイドが刺さっている一番下の部分にくっつくように置き、もう1本をオイルシールの『肩』の部分に置いて、2本のノズルをくっつけた状態でノズルの長さの『差』を確認し、2本のノズルの位置関係が他のオイルシールと同じくらいになっているのか?を確認しました。とても原始的な確認方法ですが(爆)、目視ではわかりませんので、こうやって確認する事で安心感は出ます(笑)整備要領書にはヘッド側からのオイルシールの高さが記載されていますが、今回はガイドをリン青銅に打ち換えていますし、シートカットも施されていますので、整備要領書の数値があてはまりません。ですので、原始的な測定方法で独自に測定です。 |
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ガイドにオイルシールを全て装着後、ヘッドをひっくり返してバルブを差し込んでいきます。スリ合わせをした時と同じように、バルブにモリブデンを塗布し、挿入するガイドにオイルを塗布しておきます。オイルは、めんどくさくても挿入する際に塗布するようにしましょう。バルブを握る手をキレイにしておく事も重要です。何度も何度もバルブを持つ手が汚れてないか確認しながら1本1本バルブ挿入していきました。 |
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バルブをガイドに少し挿入した後、手を離しますと、ある程度のとこまで『ス〜ッ』とバルブが落下していきます。 |
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ある程度のとこまでバルブが挿入できたら、最後に先ほど打ち込んだオイルシールを通過させます。オイルシールを通過する際、『コクッ』っと手に感触が伝わってきます。この時、特に大きな力は必要ありません。 |
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EX側のバルブをIN側と同じ工程でガイドに挿入です。ここで重要な事は、バルブの装着順番を間違えないようにする事です。写真でも判るように、バルブには予め番号を記載しておき、バルブを全て装着後、『合っていると判っていても』もう一度、番号を確認しておきます。1〜12まで全て。念には念をです。 |
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全バルブ、装着完了です。 |
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バルブを装着後、バルブスプリング等を装着しなければいけませんので、ヘッドを引っくり返す必要があります。ヘッドをひっくり返した際にバルブや面研した面がキズ付かないように、バルブの上にウエスを何回かたたんだものを置き、ガムテで面全体を保護した後、ヘッドを引っくり返しました。 |
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先ほど取り付けたオイルシールをバルブが通り抜けてきている部分の写真です。カム側から覗き込んだ感じですね。この部分の一番下の丸い部分にバルブスプリングシートを装着します。 |
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スプリングシートを装着する際、ドライバー等を使用し、丸いスプリングシートを滑り込ませるように装着していくんですが、今回はパーツクリーナーの『ノズル』を使用し、予めノズルにスプリングシートを通して一番下まで滑り込ませました。そのままスプリングシートを何も使わずに放り込んでもよさげに思いますが、スプリングシートには表裏があるので、こういう方法で表裏が反転しないように、又、バルブに引っ掛かって変な位置に落っこちないようにノズルを使用して『スルスルスルーッ』っと一番下まで落とします。スプリングシートの表裏は手で触っただけでわかります。『光沢があってツルツルしている方が上(笑)』です。表裏を間違えないように、きちんと作業台の上に並べておきましょう。 |
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バルブスプリングシートが収まると、このような感じになります。 |
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次に、バルブスプリング用の『シム』を先ほどと同じ要領で入れます。このシムですが、通常のO/Hでは使用しません。このシムを使用する意味は、簡単に言いますと『バルブスプリングの『プリロード』を純正と同じ領域に落ち着かせる為に入れる。』です。ヘッドの断面をイメージしますと。。。シートカットされたシートは純正のシートの位置より若干奥に入る形になります。シートが奥に入るという事は、バルブの位置がカム側に若干上がるという事に。。。バルブが上がると言う事は、ある程度の力で縮んでいるバルブスプリングが若干ですが『伸びる』方向に。。。バルブスプリングの下はスプリングシートで固定されていて、上側はリテーナーで固定されています。シートカットによってバルブがカム側へ若干上がると言う事は、リテーナーの位置も上がるという事になりますよね。そうなると、若干ですが、バルブスプリング自体が伸びる方向になりますので、その伸びた分を元の位置に戻すべく、このシムを入れます。厚さは0.2mmです。 |
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こちらはスプリングシートと違い、『ヒラヒラヒラ〜』という感じでノズルを通して下に落っこちていきます。 |
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無事に下におっこち。。。あ、引っ掛かってしまいました(爆)こういう時はノズルで『チョイチョイ』とシムを動かしてスプリングシートの上に落ち着かせます。ノズル。。。大活躍です(笑) |
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バルブスプリングシートとシムを装着後、バルブスプリングを装着します。こちらはそのまま手にとって入れていくだけなんですが、注意点としては、バルブスプリングの『上下』を間違えないように装着する事です。純正のバルブスプリングには、上下が判るようにスプリングの側面に白いペイントが施されています。ペイントが付いている方が下です。あと、スプリングの形をよ〜く観察しますと、巻き数のピッチに違いがあることが判るはずです。クルクル巻いている線と線の間が、最後のほうで狭くなっている方が『下』です。ペイントなどは洗浄する際に落ちますし、目視でスプリングの上下はわかりますが、スプリングを装着後に確認する『術』がありません。一つ一つ間違えないように確認しながらスプリングを入れていくのはいいんですが、全て入れた後、最後の最後に確認して安心したいですよね?(笑)その為に、写真のようにスプリングの上部分にマーキングをしておきます。もちろん上下を確実に確認した後にマーキングです。(この方法はさくさく氏の案だったります) |
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スプリングを全て装着した後、しつこいようですが、上下が合っているか再確認します。写真のようにマーキングがあると安心です♪ |
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バルブスプリングの上下の向きが合っているか確認終了後、リテーナーとコッターを装着です。リテーナーとコッターは、各バルブに対し、一つ一つ確認しながら装着しました。リテーナーに関しましては、万が一上下の向きを間違えてもコッターが入りませんので(爆)すぐ判るはずです。 |
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リテーナー装着後、バルブスプリングコンプレッサーを使用し、コッターを入れる為にスプリングを縮めます。 |
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バルブやヘッドの面をキズ付けないように、スプリングコンプレッサー側にガムテを貼っておきましょう。 |
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バルブスプリングコンプレッサーは、燃焼室側のバルブとカム側のリテーナーを固定して、コンプレッサーのレバーを『グイッ!』っと押し込むと、バルブスプリングがある程度のとこまで縮まってくれるという大変有難い工具です。この『ある程度』とは、コッターをバルブに装着(リテーナー中央に入れる)する為に必要なスペース。と思ってください。その微妙なスペースを確保すべく、予め、コンプレッサー側の長さを微調整しておきます。 |
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スプリングが縮まったら、いよいよコッターを入れていきます。小さいパーツですので、落とさないように注意しながら入れていきます。プロの方ですと、細いドライバー等にペーストを付け、コッターにも少量のペースト付けて『ペトッ』っとバルブにコッターを収めたりしますが、そういうテクニックは後に置いといて(笑)まずはどんな感じでバルブに収まるのかを確認すべく、どうやったら入れやすいのか?とかどんな風に入るのか?を確認しながら一つ一つ入れていきました。ここでもコッターをリテーナーへ落とし込んだ後、位置を調整するのに『ノズル』が活躍しました(笑) |
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リテーナーの中央部分の穴はテーパーがついていて、コッターにもテーパーが付いています。バルブの先端付近にはコッターが収まる為の溝があり、コッターの内側中央部分にはその溝に収まるように凸になっている部分があります。この凸になっている部分をバルブの溝部分に納める為に『四苦八苦』します(笑)コッターはリテーナーの中央でコロコロ転がって言う事をきいてくれません(笑)運よく『スコッ!』とバルブに収まったりもしますが、コツとしては、やはり細いドライバーの先にペースト等を付けてコッターにもペースト付けてバルブにセットした方がよかったかもぉぉぉおおおおお!と心の中で叫びつつ、四苦八苦しながらコッターをバルブに装着しました。ヘッドの角度にもよりますが、コッターを下側に滑り込ませ、後で上側を入れたほうが簡単。。。だった。。。ような。。。 |
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二つのコッターがバルブにちゃんと収まっているか確認できたら、コッターを眺めつつ、バルブスプリングコンプレッサーのレバーを静かに戻してリテーナーを元の位置に戻します。リテーナーが戻ってくる途中、リテーナーの中央のテーパー部分がコッターのテーパー部分を支えて(押して)コッターを確実に固定するようになってます。うまく出来てますね〜^^; |
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一つ一つ上記の作業をこなしていき、全てのコッターを入れ終わったら、念のためにもう一度、コッターとリテーナーとバルブの位置を全て確認します。 |
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上記の位置が確認できたら、最後に、バルブとリテーナーとコッターの位置を『落ち着かせるべく』リテーナーの外径に合うソケットと短いエクステンションを使用して、プラハンで軽〜くリテーナーを叩きます。叩くと判ると思いますが、プラハンを持っている手に『ビヨン、ビヨン』とバルブスプリングが反発する感触が伝わってきます。間違ってもバルブの先端を叩かないようにしましょう。 |
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上記の作業終了後、念のためにカム側に異物が入っていないか確認し、ガムテで『フタ』をしておきます。 |
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ヘッドを慎重に引っくり返して。。。 |
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燃焼室側も異物が入ってないかを確認した後、ガムテでフタをしておきましょう。 |
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IN側のポートも一つ一つ異物等が入っていないか確認し、ガムテでフタをします。 |
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EX側のポートもIN側と同様に確認した後、ガムテでフタをしておきます。最後に、プラグを装着する穴にもガムテでフタをしておきましょう。 |
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一番最初に外したヘッドの前後のプラグ穴に新しいプラグを打ち込みます。 |
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なかなか見れませんので(笑)、内部を観察しますと。。。まるで洞窟のようです。 |
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新しいプラグを準備し、パーツクリーナーで全体をキレイにした後、しっかり脱脂しておきます。 |
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ヘッド側のプラグを圧入する部分もしっかり脱脂しておきましょう。 |
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ヘッド側へ液体ガスケットを少量塗ります。 |
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プラグに合うソケットを使用し、プラハンで打ち込んでいきます。少しずつ、慎重に、全体的に同じ深さで入っていくように(斜めに入っていかないように)丁寧に打ち込んでいきます。 |
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プラグをどこまで打ち込むのか?については、予めデジカメで取り外す前の状態を撮っておき、写真で検証しながらなるべく同じ位置になるように打ち込みます。前後とも同じ要領でしっかり打ち込んだ後、プラグの外周部分にはみ出した少量の液体ガスケットをキレイに拭き取って。。。今回の作業は終了しました。 |
使った工具 |
メガネレンチ各種、Tレンチ(ブラスバーの代わりに使用)、トルクレンチ、ソケット各種、プラハン、ショックレスハンマー、ソケットハンドル(1/2サイズ)、マイナスドライバー、精密ドライバー、ドリル(歯は5mmのロングタイプ)、ベアリングプーラー、バルブスプリングコンプレッサー |
作業後の注意 |
ブロック、ヘッドに埃が入らないようにして保管する事 |